スポンサーリンク

【書評】「普通がいい」という病(泉谷閑示著)

生活に役立つ本
生活に役立つ本
【7分で分かる】「普通がいい」という病

みなさん、こんにちは。

このチャンネルは、忙しい社会人が、聞き流すだけで分かるように、短時間で効率的につくっています。

今回は精神科医、泉谷閑示(いずみや・かんじ)さんの「『普通がいい』という病」をご紹介します。

泉谷さんは30歳の時、精神科医の仕事からいったん離れ、音楽の勉強をしに、パリに渡りました。

日本では「仕事を投げ出すなんて無責任だ」と批判されましたが、パリでは「自分の人生を見つめ直すなんて、とても素晴らしいことだ」と称賛されたそうです。

パリで生活するうちに、日本には他人の目を気にする「神経症的な空気」が蔓延していることに気づいたそうです。

帰国後は再び、精神科医として、窮屈な日々を他人にも自分にも求めるような、「日本の精神風土」を改善することに力を注いでいます。

この本を読めば、自分が納得する人生を歩むにはどうすればいいのかが、深く深く分かってくるはずです。

印象に残ったポイントを分かりやすく解説します。

スポンサーリンク

①人間は「角(つの)」を持って生まれてきた

この本は、「私たちはみんな、ほかの人とは違う「角」を持って生まれてきた」という一文で始まります。

角とは自分であることのシンボルであり、生まれ持った宝。つまり「個性」のことです。

角はやはり目立つもの。人間といえど、動物としての習性から、他人は真っ先に「角」のことを話題にし、冷やかしたりもします。

そんなことが続くと、いつの間にか、「この角があるから生きづらいんだ」と思うようになってくる。

「角」を切り落とし、「あるがまま」の人生を「あるべき姿」に無理に変えていく。

周りの価値観に合わせ、「普通である」ことを自ら望むようになる。

そして、周囲の人や子供にも、同じ価値観を求めるようになっていってしまいます。

角を切り落として、無理に周りに合わせた結果、精神を病んでいく人が、近年、増えているのです。

②「普通」とは何か?

では、ここで「普通」とは何か、について考えてみましょう。

「普通」という言葉には、平凡でみんなと同じが良いことなんだとか、「普通」に生きることが幸せに違いないといった「偏った価値観」がベッタリとくっついています。

つまり、「普通」になれば、「普通」に幸せになれると思い込んでいるわけです。

言葉には「手垢」があります。この手垢というのは、言葉にくっついてい世間の「価値観」のこと。

「普通」という言葉であれば、「普通はいいこと」「普通は幸せなこと」といった価値観が背後にあります。

そういう価値観に生きている人の中では、「普通」は「多数派」と密接に結びついているのです。

③無理して「多数派」として生きるとどうなるか?

冒頭で、人は、他人とは違う「角」を持って生まれてきたと説明しました。

大人になるにつれて、「角」を切り落とし、周囲の環境に合わせていく。

無理をして、「多数派」として生きる選択をした人の中には、「うつ病」を発症する人がいます。

「うつ病」のメカニズムとはどういうものなのでしょうか。

多数派として無理な生活を続けると、心の中に「葛藤」が生まれます。

人間には、頭由来の「理性」と、心由来の「感情」があります。

葛藤を生めるために、理性が感情を支配する。

一見、心は抑圧されているように見えますが、だんだんと不満をため込むようになります。

心と身体は一心同体。心がストライキに入ると、身体もエネルギーをあまり出してくれなくなるので、疲れやすさ、食欲不振、不眠などの症状が出てきます。

これが「うつ病」の正体です。

うつ病を治すには、抑圧されているものを、葛藤レベルに持ち上げることが必要です。

頭が心を支配している状態は「病的な安定」。

病的な安定から「健康な不安定」にもっていく作業をすることが、うつ病治療の第一歩になります。

④「ネガティブ」は厄介者ではない

よく「ネガティブな気持ちは出さず、ポジティブだけでいきましょう」と言われます。

泉谷さんはこれはあり得ないことと言います。

ここで「感情の井戸」の説明をしたいと思います。

感情には意識、無意識の2種類があります。

無意識の中には、怒り、悲しみ、喜び、楽しみの順番に4つのボールが入っています。

4つのボールは順番に入っているので、1番上のボールが出ないと、2番目、3番目は出て来られません。

これは精神科医である泉谷さんが、多くのうつ病患者を治療した結果、導き出した法則だそうです。

怒り、悲しみをネガティブとして厄介者扱いすると、この井戸にフタをしがちです。

うつ病患者が回復に向かうときは必ず、以前よりイライラしやすくなります。

「怒り」は決してマイナスのものではなく、下に詰まった「喜び」「楽しみ」を引き出してくれるありがたい感情なのです。

「ネガティブはなしで、ポジティブだけでいきましょう」というのは、曇りや雨なしに、いつも快晴でいきましょうと言っているのと同じこと。これではいつか、砂漠になってしまいます。

⑤「生きる意味が分からない」

最後に、「生きる意味とは何か?」という壮大な疑問について触れたいと思います。

ここで有名な禅問答をご紹介します。

師匠の達磨さんに、弟子がある日、「生きる意味とは何ですか?」と聞きました。

返ってきた言葉は「庭先の柏の木」。

達磨さんは、庭先に生えているこの木は、何かの目的があって、どこから歩いてきて、植わっているわけではない。あるべくして、ただそこにある。「あるがまま」にあるものに対して、目的、意図を見出すのは、おかしいことだよという意味を込めているのです。

「生きる意味が分からない」という人は、目的や意味がないと、生きて来られなかったんだなと分かる。たしかにこう考える時期は必要です。

ですが、あるところから先に行くと、目に見えたり、言葉にできたりするような「目的」に向かって生きることの「貧しさ」が分かってきます。

そして初めて、何か大きな「流れ」が、私たちを運んでいるのだということが感じられるようになる。

そこで主語の「自分」が消え、天命というべき大きな力が、自分を動かし、生かしていることに気づくのです。

いかがだったでしょうか。

この本は、「普通であれ」と迫ってくる世間に立ち向かう、強力な武器となる本です。

悩んでいる「少数派」のバイブルとなるような超オススメ本です。

周りに合わせて生きるのが辛いと思っている方は、ぜひ手に取って読んでほしいと思います。

【7分で分かる】「普通がいい」という病

もしこの動画が気に入ったという方は、チャンネル登録をお願いします。

これからも実際に読んで、面白った本を、短時間で効率的に解説します。

最後までご視聴ありがとうございました。

本日も良い一日をお過ごしください。