みなさん、こんにちは。
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今回は樹木希林さんの「一切なりゆき」をご紹介します。
2018年9月に亡くなった平成の大女優は生前、数多くの名言を残しました。
その言葉は、ユーモアがありながら、とても奥が深いものばかりです。
どうすれば、希林さんのように、自然体に楽に、日々を生きられるのか。
印象に残ったポイントを分かりやすく解説します。
①「死」を感じられるのはありがたい
希林さんは2004年に乳がんが見つかってから、2018年9月に75歳で亡くなるまで、全身に転移したがんをものともせずに生きました。
がんになったことで、人生観が変わったと言います。
「人は必ず終わる」という実感を自分の中に持てた。終わりを意識することで、心の整理をすることができた。がんという病気は、自分の残された時間を教えてくれる、ありがたいものだと説明しています。
希林さんは自分のことで、人を煩わせるのを、とても嫌う性格でした。
自分のことを自分で始末するのが、大人としての責任。人生の整理ができるので、ありがたいと語っています。
がんになったら普通は絶望すると思いますが、この逆転の発想こそが、希林さんの凄さだと思います。
②人生は思い描いた通りにならなくて当たり前
希林さんは、どこか力の抜けた人でもありました。
数多くの名作に出演した大女優でありながら、全く偉ぶることはない。
全身がんになっても、そのつらさを表に見せることはありませんでした。
それは、「人生を嘆いたり、幸せについて大げさに考えない」という信念に基づいて、生きていたからです。
いつも「人生、上出来」と考えて、うまくいかないときは「自分が未熟だったのよ」でおしまい。
こんなはずでは…というのは、自分が思い描く理想と違うからこそ、生まれる感情。
その理想が、自分が本当に望んでいるものなのか、他人の価値観なのか、誰かの人生と比べてうらやんでいるだけなのか、見つめ直すことが重要と語っています。

③どうすれば、他人の価値観に振り回されないか
では、どうすれば、他人の価値観に振り回されない人生を送れるのでしょうか。
希林さんは「自立すること」と語っています。
自分はどうしたいか、何をするべきか、とにかく自分の頭で考えて、自分で動く。
人に頼るのもいいが、誰にも助けを求められない時にどうすれかは考えておく。
「もっと言えば、自分が置かれた状況を面白がれるようになるといい」と語っています。
幸せというのは、「常にあるもの」ではなく、「自分で見つけるもの」
なんでもない日常や、取るに足らないことでも、面白がってみると、そこに幸せが見つかると説明しています。
④夫婦関係、相手のマイナス部分は必ず自分にもある
希林さんは21歳で俳優と結婚し、25歳の時に離婚。30歳の時に内田裕也さんと再婚しました。
離婚無効訴訟など、数々の修羅場を乗り越えながら、型破りな夫婦関係は死ぬまで続くことになります。
そんな希林さんの、男女についての視点は、独特で学ぶべきことが多いです。
どの夫婦も、夫婦となる縁があったということは、相手のマイナス部分が必ず自分の中にある。
共通するマイナス部分があるからこそ、人は惹かれ合うのだそうです。
それが分かっていると、結婚というものに、納得がいく。
夫や妻のことを悪く言っている人を見ると、「この人、自分のことを言っている」と心の中でよく思っていたそうです。
⑤家族が崩壊しないのは、女の粘り強さのおかげ
世の中の家族が崩壊しないのは、女の粘り強さのおかげと説明しています。
「女」が「台」となって、「始まり」という漢字になる。
全ての始まりの土台を作るのは女で、そこがドシッしていれば、たいていのことは大丈夫。
女というのは、その人生が終わった時に初めて、「いてくれて良かった」と思われる存在になると語っています。
⑥私たちはみんな「提婆達多」
希林さんは、心身の活性化のため、日常的にお経を読んでいたそうです。
お経の中に「提婆達多(だいばだった)」という言葉があります。
提婆達多とは、お釈迦様のいとこで、最初は同じ教団で活動していたものの、やがて反逆し、お釈迦様を殺害しようとまでした人物です。
しかし、お釈迦様は、提婆達多がいたからこそ、見えてきたものがあると仰っています。
自分にとって不都合なもの、邪魔になるものを全て悪としてしまったら、そこに何も生まれて来なくなる。
病気や苦手な人も、「悪」とは決めつけない。
物事の良い面と悪い面は表裏一体で、それをすべて認めることによって、生き方が柔らかくなる。
希林さんは、夫の内田裕也さんという「提婆達多」がいたからこそ、穏やかに生きられたと振り返っています。
いかがだったでしょうか。
希林さんは掃除や家事も丁寧にこなし、外出するときはバスや電車も使う。
生活感をとても大切にしていた方でした。
倹約家で、モノも自分も十分に最後まで使い切ることが好きでした。
「粋」でかっこいい生き方が、この本には、ほかにも数多く紹介されています。
ぜひ手に取って、読んでみてください。
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最後までご視聴ありがとうございました。
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