みなさん、こんにちは。
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今回は島村華子(しまむら・はなこ)さんのモンテッソーリ教育、レッジョ・エミリア教育のほめ方、叱り方をご紹介します。
島村さんは教員として日本で働いていましたが、子供たちのうちから湧き出るモチベーションについて興味が湧き、カナダに渡り、モンテッソーリ教育、レッジョ・エミリア教育の効果について研究を行いました。
この二つの教育の最大の特長は、子供を子ども扱いするのではなく、一市民とみなして接することです。
大人のエゴのためではない、子どもためのほめ方、叱り方を心がけた教育とはどういうものなのか。
私が実際に読んで、参考になったポイントを、分かりやすく短時間で解説したいと思います。
①2種類の子どもへの接し方
子育てには、条件付き子育てと、無条件子育ての2種類があります。
条件付き子育てとは、子供の行動の善し悪しによって、褒美や罰を使いながら、子供をコントロールしようとする接し方。
一方、無条件子育ては、行動の善し悪しにかかわらず、愛情を注ぎ、子どもの気持ちに寄り添う接し方です。
例えば、毎晩、子どもに絵本を読む約束をしていたとします。
子どもが「着替えたくない」と寝る前にぐずったとき、条件付き子育てとは「きょうは絵本を読まないよ」と言って、無理やり着替えさせようとする方法。
無条件子育てとは、子どもがくずった後もいつもどおり、絵本を読んであげる接し方を言います。
②条件付き子育ての恐いデメリットとは
条件付きの子育てをすると、短期的には、親の言う事をよく聞くようになります。
先ほどの絵本のように、親の望むようにしなければ、権利を取り上げられるというプレッシャーから、自分の行動を規制するからです。
短期的に効果があったとしても、条件付き子育ての代償は非常に大きいものだと著者は説明しています。
なぜなら、条件付きで育った子どもは、周囲からの賞賛、物理的な褒美によって、自己評価が左右されやすくなってしまうからです。
例えば大人になった時、上司や同僚が「すごくいい仕事をしたね」とほめてくれた時にしか、自分は有能だと思えない。
周囲の評価ばかりを気にする。
自分に確固たる芯のない、大人になってしまいやすいのです。
③無条件子育てのコツ
条件付き子育ては教育に良くない。無条件で子どもに愛情を注ぎなさいといっても、簡単にはいかないものです。
いきなりは難しいので、少しづつ変えていく意識が大切です。
本の中には、無条件子育てをする時に、意識したい5つのポイントが書かれています。
①ほめ方とと叱り方に気を付ける
②「子供に対するイメージを」見直す
③子供にとって良きリーダーでいる
④子供への要求を考え直す
⑤子育ての長期的なゴールを持つ
この中で、私が重要と思ったのは、③の子供にとって良きリーダーでいるという項目です。
一般的に優れたリーダーとは、責任や決断を共有しながら、チームを統率できる人。
子育てにおける良きリーダーというのも、子どもに向き合い、気持ちに寄り添いながらも、しっかり道しるべを示す人を指します。
子どもが癇癪を起している時、怒りに任せて罰や褒美に頼ってしまうこともあるかもしれませんが、こういう状況を繰り返すと、子どもは知らず知らずに不満を持ち、大人になって爆発させてしまうのです。
子どもが必要としているのは、大人がどっしりと受け入れてくれるという安心感。
大人の社会も子供の目線も、良きリーダーの姿は一緒なのです。
④良いほめ方と悪いほめ方
「すごい」「えらい」「才能あるね」
これらは子どもをほめるときに、よく使われるフレーズです。
一見、ポジティブで子どもの自信につながるように聞こえますが、必ずしもよい影響があるとは言えません。
ほめ方には、大きく分けて3種類あります。
一つ目の「おざなりほめ」とは、「すごいね」「上手」というように、どういうところがどういう風に良かったのか、具体性に欠けるほめ方です。短いワードでは、子どもに成長のあまり効果がありません。
二つ目の「人中心ほめ」とは、「優しいね」「頭がいいね」というように、性格や能力など表面的な特徴をほめること。
たとえば「頭がいい」と言われ続けると、「万が一、失敗したらどうしよう」とプレッシャーを感じ、言い訳が多くなるなど、周囲の評価から自分を守ろうとする人に育ってしまいがちです。
そして、三つ目が「プロセスほめ」。著者はこのほめ方が一番いいと言います。
プロセスほめとは、「頑張って最後までやりきったね」「失敗してもあきらめなかったね」というように、文字通りプロセスをほめる接し方です。
努力を認めてもらった子供は、もっと頑張ろうという「内的モチベーション」の向上につながることが、複数の研究でもわかっています。
プロセスほめは、結果にこだわりません。なので、たとえ失敗したとしても、柔軟にいろいろな方法を試すことで、次は成功できるかもしれないと、頑張れるようになるのです。
いかがだったでしょうか。
この本はとにかく内容が濃く、今回紹介したのは、ほんの一部分です。
読んでみると、知らず知らずに、子どもをコントロールしていたということがよく分かります。
子育てをするうえで、頭のすみ入れておきたいことばかりです。
ぜひ手に取って、読んでみてください。
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これからも実際に読んで、参考になった本を、分かりやすく短時間で解説します。
最後までご視聴ありがとうございました。本日もよい一日をお過ごしください。