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【書評】大河の一滴(五木寛之著) 絶望のススメ

生活に役立つ本
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【8分で分かる】大河の一滴 絶望のススメ

みなさん、こんにちは。

このチャンネルは、忙しい社会人が、聞き流すだけで分かるように、短時間で効率的につくっています。

今回は五木寛之さんの「大河の一滴」をご紹介します。

この本は1999年に刊行されましたが、新型コロナで不安が増すいま、とても注目され、再びベストセラーになっています。

五木さんは北朝鮮の平壌で終戦を迎え、命からがら、日本に戻ってきました。

「生きるとはどういうことか?」

いくつもの死線をくぐりぬけてきた五木さんの言葉は、不安な社会に生きる私たちの心に響きます。

印象に残ったポイントをご紹介します。

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人の一生は本来、苦しみの連続

五木さんは、人間の一生とは本来、苦しみの連続だと語っています。

生きていく中で、耐えがたい苦しみ、思いがけない不幸に見舞われることはある。

しかし、なぜと、腹を立てたところで仕方がない。

五木さんは、90年近い人生の中で、2回、本気で自殺を考えたそうです。

人生とはおおむね、苦しみの連続だと覚悟すべきである。そう思う事で、つらいことから立ち直ってきたと述べています。

さらに興味深いことに、近代の苦しみと、400年前の苦しみの総量は同じであるとも語っています。

封建時代にあった苦しみが消えるのと引き換えに、現代には、昔なかった苦しみが出現する。

聖徳太子は「世間虚仮(こけ)」と、深い溜息をついて死んだと言います。

虚仮とは、「愚かな」という意味です。

人の苦しみの総量は、文明の進歩と関係なく、一定なのです。

なにも期待しないという覚悟で生きる

人生には、何も期待しないという覚悟も大事だと話しています。

私たちは泣きながら、この世に生まれてきました。そして、死ぬときも、ただ一人で逝(ゆ)きます。

恋人や家族がいたとしても、一緒に死ぬわけではない。人は支えあって生きるものですが、最後は結局、一人で死なないといけません。

どんなに愛に包まれて看取られたとしても、最後は自分で死と向き合わないといけない。

結局、人生は自己完結するしかないのです。

五木さんは、だからこそ、人を愛しても、お返しを期待してはいけないと説明しています。

なにも期待していないときにこそ、思いがけず、他人から注がられる優しさや、小さな思いやりが、「早天の慈雨」として感じられる。

おのずと湧き上がってくる感情こそが、本当の感謝であると述べています。

親切に慣れてしまえば、感謝の気持ちも自然と消えてしまう。

人の親切に慣れないことが大切。

いつも何も期待しないということを、最初の自分の地点として、立ち戻りつつ、生きていくしかないのだと語っています。

本当のプラス思考とは、絶望の底で感じるもの

本当のプラス思考とは、絶望の底で光をみた人間の、全身の驚きである。

そして、その底に到達するには、マイナス思考の極限まで下りていくことが必要だと語っています。

死んで地獄に落ちるのではなく、人はすべて地獄に生まれてくるもの。

その地獄の中で、思いがけない喜び、見知らぬ人の善意、奇跡のような愛に出会うことがある。

生まれて良かったと、心から感謝する瞬間がある。

その一瞬が極楽である。極楽はあの世にあるのではなく、この世の地獄のただ中にあるものだと述べています。

五木さんはこれまで自殺を考えるところまで追い詰められながら、なんとか立ち直ることができたのは、こう覚悟していたからだそうです。

この世はもともと無茶苦茶で残酷で、苦しみや悲惨に満ちているものだと、説明しています。

悲しみは、喜びと同じくらい大事

喜びに対して悲しみは、マイナスにとらえられがちですが、決してそうではありません。

例えばここに、苦痛に耐えている人がいます。

その人間に何かしてあげたいと思っても、自分にはどうしようもできない。

そういう時はあります。

目の前の相手を助けることができないと感じたとき、人は無力感、悲しみを感じます。

しかし、そういう悲しみによって逆に、活性化する命もあります。

人の細胞は、幸せを感じたときに活性化しますが、悲しみを感じたときにも、喜んだ時と同じくらい活性化するのだそうです。

人は自分の悲しみ、苦しみは絶対に分かってもらえないと思ったとき、その苦痛は2倍にも3倍にもなります。

相手の痛みを変わってあげることはできませんが、自分のように感じることはできる。

そこで感じた悲しみや絶望は、人間の命にとって、決してマイナスなものではないのです。

ユーモアは魂を支える

健全な精神は、健全な肉体に宿る、と昔から言われています。

ですが、健康や体力だけで、人間は厳しい条件に耐えられるものではありません。

ドイツ、アウシュヴィッツ強制収容所の話が興味深いです。

ユダヤ人を強制連行し、残虐な殺戮が行われた場所。この地獄の場所から、奇跡の生還を果たしたフランクルという人がいます。フランクルが記録した「夜と霧」は、読んだ方も多いのではないでしょうか。

フランクルは、人間が極限状態の中、最後まで生き抜くには、感動することが大事だと語っています。

フランクルは強制収容所にいる時、仲間とジョークを言い合うことを毎日の日課にしました。

あすの命も分からない中、栄養失調の身体で、互いにジョークを披露しあっては、力なく笑いあう。

これが、奇跡の生還を遂げる大事な役割となりました。

五木さんは「ユーモアというのは単に暇つぶしのことではない。人が人間性を失いかけるような場面では、人間の魂を支える、大事なもの」と解説しています。

いかがだったでしょうか。

この本は、世の中の無情、人間の悲しみを扱った究極のマイナス本です。

ですが、読み進めるにつれて、気持ちが落ち着き、「人生とはそういうものだよな」と、心の底に活力がわいてくる不思議な本です。

いま、言い知れぬ不安にさいなまれている方は、ぜひ手に取って、読んでみてください。

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これからも実際に読んで参考になった本を、短時間で効率的に解説します。

最後までご視聴ありがとうございました。

本日も良い一日をお過ごしください。

【8分で分かる】大河の一滴 絶望のススメ